話し手
古川 理沙さん
SELF代表理事/株式会社そらのまち 代表取締役 | 鹿児島
聴き手
桜井 肖典さん
『Community Based Economy』呼びかけ人代表/一般社団法人リリース 共同代表 | 京都
一緒に聴いた人
ニールセン北村朋子さん
Cultural Translator/aTree代表/『いまを生きる手習い塾』『DANSK』主宰/一般社団法人リリース Partner | デンマーク・ロラン島
樗木 亜子さん
株式会社ガイアックス/社内コーチ | 東京
八束 華子さん
プロジェクトコーディネーター | 東京
古川さんがしていることや起こしていること
日本語教師を経たのちに、とあるきっかけから起業することを決意した古川さん。出産祝い専門店から保育園の経営、まちづくりへと、経験値がないことに次々と挑戦する根底には、ひとりひとりが当事者意識をもって考え行動することで、ともにつくる豊かさを学び、喜びを分かち合うプロセスという希望に満ちたヒントがあるように感じます。
特に、遠足の企画から準備・片付けまでを子供たちが主体となって行う、お米と野菜は地元の契約農家から仕入れ、お味噌は毎月子供たちが自ら仕込むなど「食べることを真ん中に置いた保育園」という特徴をもつ保育園経営においては「こどもたちの親友でありたい」という思いを真ん中に置き、大人も子供も関係なく学び合いながら、社会や未来のことを人任せにせず自分ゴトとして捉える力を育んでいます。人が喜んで関わりたくなるような舞台を作り続ける姿からは、のびのびとチャレンジしたくなる環境づくりへの示唆が多く隠されているのではないか?と感じています。
古川さんに聞いてみたいこと
桜井 肖典さん
はじめてお話した際に「わたしはいつも暇してますよー」という言葉がありました。いくつもの拠点と会社を運営しながら、その言葉。どのように多くの人が主体性を持って動き続ける役割と舞台をつくっているのか、を聴いてみたいと思いました。
古川さんとのお話で印象に残った言葉、その先に思ったこと
突然自分がいなくなっても、組織に関わっている人たちが明日も明後日も食べていけるような状態をいかにつくるか。
「それはたのしいか・自然か・顔が見えるか」というシンプルな問いを行動指針として共有することで、関わる人が自身で判断し行動することを奨励する。そして仲間たちが育んだ有形無形の資産へのあたらしい関わり方をデザインする。その繰り返しをなぜしているのか、がよくわかる言葉でした。
by 桜井 肖典さん
誰かが悩んでいることは、実は誰かがすでに解決している。
なにか、合気道のような、力まず、それでいてしなやかなパワーを感じました。凸凹はそのまま活かし、すでにあるものをうまくつなげて、さらに先へ…!
by ニールセン北村朋子さん
違いがあって自然。揺らぎがあってこそ自然。それでいい。
”答えは1つ”の時代から、それぞれの中に湧き起こるものが答えになる時代へと移り変わろうとしています。人は誰しも、浮き沈みがあったり、いろんな感情を抱く生き物。しかしながら、いざ他者との関係性を築くときにありのままの自分をどこか隠したり、いいところだけを切り出したりして、本当の意味で良好な関係性が築けないことも多くあると感じています。違いや揺らぎを理解、受け入れて、新しい未来を切り拓いていくために対話の力を育んでいきたいし、対話の機会を作っていきたいと改めて思いました。
by 樗木 亜子さん
古川 理沙は圧倒的ゆるぎない凹である。
凹の埋め方は気にせず、埋めてくれてありがとう!を伝える。それが人が喜んで関わるデザインのコツになっている。わたしがわたしたちになっていくプロセスには余白と喜び合いのデザインが組み込まれている。
by 八束 華子さん
Q. What do you do? & Why do you do what you do?
あなたがしていること、そして、なぜそれをしているのか、教えてください。
Q. How do you do it?
あなたがどのようにそれらをしているのか、教えてください。
Get together
話を一緒に聴いた人たちとの対話
古川 理沙
SELF代表理事/株式会社そらのまち 代表取締役 | 鹿児島
1977年鹿児島県生まれ。2000年から2019年まで日本語教師として韓国、中国、日本の大学、高専、民間学校等でカリキュラムマネジメント、教科書執筆を行う。海外での教師生活を起点に、食を中心にした新しい教育の在り方、街との関わり方を形にするため鹿児島県霧島市に「ひより保育園」鹿児島市に「そらのまちほいくえん」を開園。また、霧島市にレストラン併設型の物産館「日当山無垢食堂」を構え、地元の生産者との連携を深め、広義の食育を実現すべく奮闘中。流通のあり方、消費者や生産者の食に対する意識をアップデートすることで、環境負荷の低減と食の豊かさ向上を同時に実現させたい。第3回ジャパンSDGsアワード、2020年グッドデザイン賞金賞受賞
桜井 肖典
『Community Based Economy』呼びかけ人代表/一般社団法人リリース 共同代表 | 京都
2000年よりデザインコンサルティング会社を経営、様々な分野でデザインプロジェクトの企画監修を重ねる。2012年より持続可能性と事業性を両立する「未来が歓迎するビジネス」のデザイン組織としてRELEASE;を始動。「藝術と社会変革のあいだ」で経済活動をプロデュースする構想家として、社会の大きな物語を編み直す人文学的なアプローチと共創によるビジネスデザイン手法を軸に、大企業や自治体からスタートアップや非営利団体まで領域横断的なプランニングとディレクションを実践する。「想像力からこそ優しさが生まれる」と信じ、「希望を実現する技術であるデザイン」とともに、一人でも多くの人が希望を胸に生きている世界へ。
ニールセン北村朋子
Cultural Translator/aTree代表/『いまを生きる手習い塾』『DANSK』主宰/一般社団法人リリース Partner | デンマーク・ロラン島
日本とデンマーク。人と人。人と人を取り巻く環境とのつながり。教育と民主主義をツールにこれらを思考し、ほぐして広く伝え、協働する実践者。人とそれを取り巻く環境が幸せな地球であるように、ネットワークづくり、学びと思考と実践の場づくりを行う。デンマーク、ロラン島で食のフォルケホイスコーレを2022年秋開校へ向けて理事として準備中。対話や実験、実践を通じて持続可能、健康でおいしい食と水の公平な分配、安全供給とよりよい民主主義の世界との共有を進める。
樗木 亜子
株式会社ガイアックス/社内コーチ | 東京
1983年東京生まれ。途上国発のアパレルブランド、マザーハウスで店長、SV、広報を担当。出産を経て半径1メートルの人を幸せにしたいという想いが生まれ、東京・永田町にて家庭料理レストランtiny peace kitchenを立ち上げ、2020年10月までの約4年間で10万食以上の定食やケータリングを提供。『やさしさが連鎖する経済圏をつくる』をコンセプトに、飲食店というビジネスで人が本来持っているやさしさをベースに循環する経済圏をつくることができるかを実験した日々。やさしさを追求していくうちに、自らのあり方へ関心が広がる。現在は、2020年5月より株式会社ガイアックスの社内コーチとして1on1コーチングや社内の評価制度を刷新する施策を担当したり、社外向けには自主自律型組織への変革を提唱する活動も行なっている。料理好きが講じて、オンライン料理教室を運営している。
八束 華子
プロジェクトコーディネーター | 東京
大学卒業後、三方よし・傍楽という理念に惹かれ、スキンケアをメインにしたライフスタイル提案会社「あきゅらいず」に入社。お客様の相談窓口や採用/イベント企画運営/取材ライティング/新規事業立案運営に従事。肌と体の関係にふれたことを機に、体と心のつながり、自然と人のつながりに興味を持ち、学生時代より探求してきた幸福感の原点があるのではないかと考え始める。2017年、豊かさや幸せは健康の土台と人との出会いによってつくられると考え、体質改善事業で独立。現在は、三井不動産が運営する多拠点型シェアオフィスWORK STYLINGにてビジネスマッチングやイベント運営を担当し、企業の創発が起こる種まきをしている。また、個人の事業伴走にて事業者が大切なものを大切にし続ける経営を目指し、人の愛や力をひき出し、ともに生態系を編んでいく事業をコーディネートしている。